La luna di mezzanotte  真夜中ノ月

静かな時間に好きなコトをつぶやく

Mesmer(1994)・その1

日本では未公開の映画「メスマー」のDVDが届きました。
アラン・リックマン主演作です。

DVDが届くまでは「メスマー?」状態だったけど、
DVDのパッケージを読んだら
Franz Anton Mesmer とある。
メスメルだ!
以前、精神医学の本で見た名前!精神医学史だったはず。

わたしの魔の書斎から奇跡的にもすぐに出てきたのは、南山堂の『精神医学入門(24版)』。
名前と紹介文が簡単ですけど、記載されていました。
多分他の本でも読んだ記憶があるんだけど、何だったかなぁ。

フランツ・アントン・メスメルは、18世紀の人物です。
哲学博士、医学博士でもありました。
催眠やヒステリー研究の発端となる人なんですよ。
精神分析のフロイトよりも、その師匠のシャルコーよりもずっと以前の人です。
もっとも、提唱した「動物磁気」が、正統な医学とは認められてはいなかったので、
医学会やアカデミーからの風当たりは強かったようですが、
大衆からはかなり人気があったようです。
(まぁ、当時の病気の治療方法で一般的なのは瀉血ですので、現代の医学から見るとうわぁ、と思うわけですが。)


えっと、輸入版のDVDなので字幕一切なしです。
精神医学の知識があれば、楽しめます!!!
(ヒアリングの能力が追いついていないのが、辛いですが)
映画では、個人療法、集団療法を行っていた場面が描かれています。

盲目の女性ピアニストであるマリア・テレジアがサロンコンサートでミスタッチを繰り返し、
しまいには発作を起こして倒れてしまいます。
彼女の主治医は瀉血をしてその状態を治そうとしましたが、
メスメルはそれを阻止し、彼女を抑えつけて落ち着かせてから、
身体に手をかざし、優しい声で囁きます(ほんとに、囁き声が小さすぎて、何いってるんだか全く聞き取れないんです)。
そのうちに彼女の発作が収まったのです。

その後、日を置いてマリア・テレジアはメスメルの診療所に通うようになります。
ある事をきっかけにして、マリア・テレジアの視力が戻るのですが、
この場面から分かるのは、マリア・テレジアが、先天性の失明患者ではなく、
ヒステリーによる長期間の失明状態であったことです。
ヒステリーの原因については、それ以前の彼女と家族の関係が描写されているところにあります。
目が見えるようになったマリア・テレジアとメスメルが良い雰囲気になるわけですが……。


集団療法に関しては2つ場面が出てきます。
・ウィーンの自宅兼診療所の敷地内で。メスメルの家に押し掛けてきた貧しい患者達。
・パリ。どこの城かはわかりませんが、対象は貴族の女性達。マリーアントワネットの時代なので、女性達の衣装が派手で、本当に美しいです!

続きは又今度。