お別れの儀式
退職にあたり、色んな人とお別れの儀式をしている。
医師や看護師、コメディカルスタッフ、患者さん。
この2年間に実に多くの方たちと知り合い、ともに働き、ともに学んだ。
今回ほどきちんとお別れの儀式をしたことはない。
何度も離れることを取り上げ、
別れのさみしさや、それにまつわる不安、次に進む心の準備状態を語る。
味わいのある愛おしい時間だ。
でも、一番きちんとお別れしたい人とは、まだ話ができていない。
この2年間で最もお世話になった人。
指導が厳しくて何度も泣きそうになった。
抱えるケースについて相談させてもらったことも。
あの時間がなければ、私はここまで頑張ることができなかった。
私は別れが苦手だ。
大学時代のことだが友人に、
「わざと避けてる?別れるのが辛くて?」
と卒業式前に指摘されたことがあった。
卒論を書くという大事な時間をともに過ごした友人。
確かに別れる辛さを感じるくらいなら、
少しずつ物理的距離を置いてしまおうという
気持ちがあった。
その事を思い出すのは
きっとそれを指摘した友人と
お世話になった人の性格に似たところがあったからだ。
あの人とは心地よい距離感でお別れの儀式がしたい。
そしてまた何処かで御一緒できるといいですねと
伝えよう。